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「「そして、なにを守るのか。」」

サメラが纏う影に見覚えがある。
勝手は自分が身にまとい、背負った荷。

「対なるものは先端倒者。」

インシデントソルジャーを一振りすると風を切り裂いて、軽い音が鳴る。凪いだ風は後を追って地を削り、傷をつくる。

「いざ。」

静かに、佇んで一呼吸。刹那、走り出す。予想を遥かに超える力と、人外な移動力。やはりそれが、暗黒だと理解する。

「なら、止めないと。」
「セシル、ルドルフは独りで戦うと言ったんだぞ、手ェ出していいのかよ!?」
「でも、サメラが。」

炎を前にしてセシルは足を止めた。見上げれば片割れが、マラコーダと負けず劣らずの戦いを展開している
瞳に映すのは正面の敵。青の瞳には、赤が映えた。

「大丈夫だ、セシル。必要なのは勝つ意志と不屈の心。」

くゆる黒炎か影を動かす。背中ばかり見せているが故に、その表情は伺えない。でも、何を思ってるのかが、解る。

「「そして、なにを守るのか。」」

視線の先の相手を睨んで、これで決着をつけてやる。と、漏らすサメラ。
インシデントソルジャーを長刀に変えて、目を細めて、マラコーダの懐目掛けて飛び込んだ。

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あきゅろす。
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