「任しとけ」
「ルドルフ。」
「任しとけ」
エッジの肩を踏み台にして、真っ直ぐ弓のように跳んだ。姿勢を変えることなくサメラは大刀を振り下ろして真っ二つに切り裂いた。
「次の階に、行くぞ。」
そして一行は月の中心核を駆け抜けていく。目的地は最下層にいるゼムスまで。
サメラの中で、確固たる意志になりえていた。
全てを終えれば、幸せがやって来るのだと、信じているのである。例え、その先が見えなくても。だ。
サメラは、首を鳴らしてため息をついた。目の前に見えるは今し方通った道を見つめていた。
「サメラ。」
「どうした、」
リディアに呼ばれ、振り向けば曲がる道とまっすぐの道。二つの道が分かれていた。どっちに行けばいいかな?。っ聞かれた。どちらの道も暗く先行きが見えない。ただ、静かに沈黙を保っている。
…‥り‥‥あ‥
曲がり道から、音がした。地を這うような低い声が、恨みを持ち怒り狂うような声が聞こえた。
「…何か言ったか?」
「?、何が。」
リディアは首を傾げて、何が。と聞き返す。…聞き違いか?。静かにサメラは眉を潜めた。
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