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「つい、で片付く問題か?」

ぐたぐた考えている間に、サメラは、眠って朝になった。誰よりも先に起きてサメラをまじまじと診る、体調は良さそうだと、ローザは感じた。

「良かった。これなら大丈夫そうね。」
「ローザ、か?」

ローザの声に反応して、青の瞼がゆるゆると開いた。しっかりと前を見つめている、静かな青にローザは口角を緩めた。

「大丈夫?」
「もう大丈夫。心配ない。」
「サメラの大丈夫は当てにならないんですもの。」

確かにな。そう言うのを聞いて二人でクスクス笑う。なんだか愉快になって。ひとしきり笑ってから、サメラが朝食のために席を立とうとすると、後を追うようにローザがコテージから出て自ら手伝うわ。と言う。

「なら頼む」

野菜を適当に取り出して一緒に包丁を渡して、自分は主食に取りかかる。小麦を出して挽いて粉にして水で溶いて味付けをして千切って湯の中に落とす。

「サメラ。」
「……ローザ、終わったの…の前に包丁をこちらに向けるな」
「ごめんなさい、つい」
「つい、で片付く問題か?」

サメラが聞けばローザはうやむやに笑って流した。

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あきゅろす。
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