納得、じゃなくて。
カップを洗って帰ってきたリディアによりサメラは発見され、速やかに寝具の中に突っ込まれてローザがすぐに様子を見る最中、サメラを囲むように車座になってああでもないこうでもない、と言い合う。
「どうってことないわ、もう1日ここで足踏みしなきゃならないけど、きっとすぐに薬を飲めば…」
「薬は今まですぐにサメラが作ってたんじゃなかったか。」
カインが口をだすと、沈黙が降る。しばらくの間を開けて、ローザがポン。と手をうつ。納得、じゃなくて。
「賑やか、だな。」
「サメラ、起きて大丈夫?」
「大丈夫だセシル…風邪、薬は荷物の、奥底に期限が危ういのがある。」
よたよたと立ち上がり、荷物袋に向かうが、二三歩いて、座りこんでしまう。
「サメラ、安静にしなきゃ!」
「大丈夫だ、これぐらい。…とりあえず、先に進まなければならない。だから、だから。」
「視点も定まってないのに、無茶言わないの。」
「うぅ…。」
不満げに呟いて、サメラは半ば無理矢理に、寝床に押し戻されるのであった。
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