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唯一の人。

音がしたのか、気配で分かったのか、銀がクルリと振り返って言葉を発した。

長い銀糸のような髪が、熱風に舞う。彼女の背には人がうつ向いて…動かない。銀髪に、固まった塊がついて、所々赤黒い、きっと人間の血液なんだろう。

「……あと一人で最後。話は鎮火してから。」

と、燃え盛る町の、恐らく唯一の生存者は凛とした声でそう言ったのだった。
はぜる音がBGMの中、再び真っ直ぐ足を鳴らして町の中心へと向かう。燃える炎が反射する軽量化された銀色の甲冑を纏い。背には人を負う。

赤の世界にあるただ一つの青が、とてもつよく印象に残った。

混ざらない綺麗な青も。
単調的になる鉄の音も。
深く土に刻まれる跡も。
盛んに燃えている炎も。
寂しそうな印象が輪をかけて増す。

セシル達はお互いの顔を見合わせてから、頷いて少女の後を追いかける。

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あきゅろす。
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