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睨まれたので言葉を変えた。

もう一本くべて、炎を眺める。揺れる炎を眺めていると、金属がすれる音を聞いた。堅い金属が、遠くにまで鳴り響いた。

「…誰か、起きてるのか?」
「龍騎士か。」
「また龍騎士って言ったな。」
「すまない、ハイウインド氏。」
「だからそう名字になるんだ」
「冗談だ、カイン。」

クスリと笑って、サメラは視線を動かした。思ってた以上に青が近くにいて驚いた。

「ガヤガヤしている声が聞こえたから、起きたんだが」
「さっきまで、ローザが起きていた。……ところで、りゅ……カイン。」

龍騎士。と言い切ろうとしたが、睨まれたので言葉を変えた。なんだか、変な感じがする。

「やっと呼ぶようになったな。」
「そうか?特別な呼び方じゃないか。」
「周りを本名で呼ぶのに、俺だけ職業なのもか?」
「…確かにそうだな、カイン。」

茶を沸かして、カップに注ぐ、なみなみと2つのカップに注いで、一つはサメラが一つはカインに渡す。

「以前に一度だけ名前で呼んでたがな。」
「あったか?そんな事が。」
「懐かしむように振り返れども、思い浮かぶ記憶はない」
「バブイルの時だ」
「あったような。なかったような」

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