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そして、癒す手であり、作る手でしょう。


確かにそうだ。
ケアルは外傷、薬は内傷を癒す。
違いはあるが、確かに生かす手だ。

「それにサメラの手は癒す手であり、作る手でしょう」

いつものサメラならきっとそう言うわ。ちいさなその手は、綺麗な手よ。
そう言ってローザはサメラの手を握りしめて滴る血を拭き取ってケアルをかける。その手には赤が残らない綺麗な手になっている。

「サメラの手、努力を知る手ね。」

ゆったりと笑うローザと視線があうとローザは綺麗に笑う。私にないモノを持っている。

「ローザの手は、優しさを知る手だな。」
「買い被りすぎよサメラは。」
「そうか?」

他者を憎み、他者を殺めよ。

笑いあう中で、また声がした。背筋も凍る細い声が、確実に近づいている。
なんとなく怖くなって、汗が滴り落ちる。

「……ローザ、明日も早いからお休み。」
「そうね、寝るわ。おやすみなさいサメラ。」
「お休み」

火に薪木をくべてサメラは息づいた。脳裏で語りかける声は酷くなるばかりで、休まる事はない。ひっそり息を潜め、事有る毎にソイツが現れてくる。

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あきゅろす。
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