家族は幸であり枷だ。
ザリザリと音を鳴らして、サメラは先頭で土を慣らしながら歩いた。先頭を歩くサメラの手には今まで通り重たすぎる大刀を定位置に迎えて、重たい男向けの鎧に身を包んで、平然とした顔で歩いていた。
「ねえ、サメラ。サメラはゴルベーザの事……。」
「怒ってもないし、悲観もしていない。」
家族は幸であり枷だ。
家族といるのは幸せ。だが、事を返せば、守り続ける為には、刃を持たなければならない。
嬉しい。と共に悲しいがな事実。頭の中で呼ぶ声が、響くのも悲しいがなそれも事実。
「気にすることはない、ただこれも、運命の一つ。」と静かに目線を下げて、呟いた。
「とりあえず、急ぐのは目の前の事だ。……来るぞ!」
大刀を掴んで、サメラは地を跳んだ。プリン体を飛び越えて、脳天から大刀を突き刺した。
「そっちに一体行った!」
小さな投げナイフでちゃっかり片付けながら警告を促す。そう警告しながらも残りを倒して辺りを見回す。
「なんか、また逞しくなってないかルドルフ」
「確かに。」
端で、そういう話をしながら一向はサメラを見た。
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