祈りの館。長老。
町に入る途端、悪態をつかれた。
サメラは気にする事もなく、前を進み。セシルが後を追うように歩く。
「長老は、居るか。」
祈りの館の扉を、開けて、サメラが真っ先にその名前を出した。館の奥から長老が、白魔道師と黒魔道師を連れて出てきた。
「サメラ、元気だったか。」
「まぁ。……仲間を連れて来た。話を聞いてほしい。」
振り返って、セシル。と名を呼ぶと、長老の声が固くなった。
「そなたは、あの時……サメラ、いったい、何の用じゃ。」 「彼は、飛空艇団を指揮していたセシル。今は、バロンに立ち向かう仲間だ。」
「あの時はすみませんでした。」
セシルが頭を垂らすのを見て、謝ってもらっても、死んでいった者たちは生き返ってはこん。とキツイ口調で返される。
「長老……。」
「わかっておる。しかし…、今のそなたからはその姿とは違う輝きの欠片が見受けられる。サメラの言った通り、話を聞く価値は有りそうじゃ。」
声色がすこし、先程よりも柔らかくなった。まだ、否めていない所は有りそうだ。とサメラは思った。
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