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目で追っていった。

駆け抜けて魔導船に入り込む。息をゼイゼイ切らせて、サメラは大きく息を吸った。

「やっと自分の心を取り戻すことが出来た…今更許してくれとは言わんが…」
「あたりめーだ!てめえのせいで巨人が現れたのも当然だ!」
「エドワード」

静かに制して、息を吐く。視線を逸らすと、金糸が揺れたのが見えた。

「ゴルベーザが正気に戻ったから術も解けたのよ」
「ゴルベーザ…も?」

視線が動いたのが分かった。鉄の音が、虚しく響いて、ほんのすこし沈黙がおりた。

「ゴルベーザはセシルとサメラのお兄さんだったの…」
「…は?サメラの?」
「サメラとセシルは双子の兄弟なの。ゼムスと言う月の民がゴルベーザの月の民の血を利用していたらしいの。それでゴルベーザはゼムスを倒しにフースーヤと月に向かったの。」
「ゴルベーザが…セシルの兄…」

サメラは視線を窓の外に向けると、数羽の鳥が飛ぶのが見えた。…魔物か否か知らないが、鳥を眺めた。
奇声をあげて鳴く鳥は、天高くに飛んでいったのをサメラは目で追っていった。

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