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吸って、吸って、吸って、吸って。……
「……私はなぜあんなに憎しみにかられていたのだろう…」

静かな落ち着いた声が、部屋に響く。ただ全てを理解したような、口振りでゴルベーザが言葉を放つ。

「…自分を取り戻したか。…お主、父の名を覚えているか?」
「父……クルーヤか……?」
「それじゃ、セシルの…」
「兄貴かよお?」
「ゴルベーザが…僕の…」

全て、分かっていた気がした。ファブールの時も、ゾットの塔の時も、あの日々の中の違和感も、全て一つに繋がった。

確かに似ている。まとう空気はセシルの暗黒騎士のような感じの印象は伝わる。
……待て。セシルの兄なら必然的に私の。

「……!?」

落ち着け、落ち着け自分!
暗示をかける様に何回も繰り返す、全然落ち着いていられるか!インシデントソルジャーを叩き付けそうになるが、落ち着いて、……そう。

吸って、吸って、吸って、吸って。……って、駄目じゃんか。一人漫才を繰り広げて、裏手ツッコミを一つ。

「サメラ。」
「……大丈夫、ただ自分が愚かなのを確認しただけだ。」
「セシルの。って事は必然的にルドルフの……」

言いかけたエドワードにインシデントソルジャーを突きつけた。






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あきゅろす。
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