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間違いない。
最後の黒が地に落ちると、鈍い音が耳に届いた。遠くからカシャン、カシャン、と鉄の音がする。
これは…あの音だ。間違いない。と確信を持ってインシデントソルジャーを力強く握る。

「サメラ」
「セシル」

ギリギリと握っていた手が解かれて、手を繋ぐ。籠手の上から故に、冷たくもなく暖かくもない。ただ、隣の片割れがいるだけで安心した。

「武神事変-Satellit Reacter-。おのれえええ!よくも巨人を!」
「巨人は、いいものではない、だから壊す!」

低い怒声が体を一直線に駆け上がる。痛い程伝わる殺気に当てられて、背筋が凍え、様々な考えが交差する中、息を呑む声が聞こえた。

「お主は!」
「何だ貴様は!」
「お主! 自分が誰か分かっておるのか!目を覚ますのだ!」

前にでてフースーヤは手から光を放たれる。光は、増して、輝いて炸裂した。
視線を逸らして、目が焼けるのを防いだ。
光が収まる頃、周りは皆して目が焼けたようで、誰も前を見ない。…否、見えないみたいだ。

サメラは一人静かに視線を動かすと、ゴルベーザが一人。膝をついて頭を垂れていた。
その姿は詫びるような姿であった。






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あきゅろす。
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