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遠くで、見える町。

「サメラ、無事だったのか。」
「セシルも無事みたいだな。」

互いの無事を確認して、一つ。
「「ほかの皆は。」」
とハモる声。…………。同じ事を思って、同じ事を考えたのだろう。

「見つからなかった。その様子だと、セシルもだな。」
「あぁ。皆、無事ならいいんだが。」
「とりあえず、大きな町や城に行って、その長に会えば、仲間は皆、見付かるさ。」

諦めることはない。と、一言付け加えて、サメラは歩きだす。

「サメラは強いんだね。」
「そんな事はない。弱い所が違うだけだ。それに、私の居場所は今は此処しかないし。」

行くところがない。とだけ、付け加え、カチャリカチャリと鳴らして二人で歩く。

親は居ないし、町は燃やされて。
これで、行く宛てがあると言えば嘘になる。
行く先を無くしても、キャラバンを渡り歩けば、いいと考えた。

延々と歩き続けて砂丘をくだると町が見えた。遠くから見ただけで分かる。ミシディアだ。

「…………大丈夫だ。ここの長老となら、知り合いだ話を通せるかも知れん。」

気に病むな。詫び入る様に、足して、二人は町に入り込む。


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あきゅろす。
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