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ひらり。と揺れる。

「…っ!バブイルの塔が!。」

魔導船は、垂直運動から、平面移動するように変わっているらしく、ホバリングしている。その先を見据えると、バブイルの塔から人型の何かが現れた。
ここからじゃ、よくわからないが、断言できる事は一つ。

「ひどい。」
「バブイルの巨人…か?」

その姿が鮮明になって理解した、言わずとも解る、あれがバブイルの巨人なのだと、すぐさまにインシデントソルジャーを掴んで、外に向かって走る。

「ルドルフ、どこにいくつもりなんだ!?」
「先に行くだけだ。あそこには色々ありすぎたから、自分でカタをつけてくる。大丈夫、生きる。」

一つ放って、サメラが部屋を飛び出した。鎧と荷物袋、そして彼女の相棒を片手に、部屋を飛び出した。
砂よけの薄手のローブが、ひらり。と揺れる。しばらくして、魔導船の先端から見える窓に、小さな人影が一つ映った。

きっとあの影はサメラの影。
小さく見える片割れを目で追って見る。と、親友の姿を思い出した。

「サメラ。」
「きっと大丈夫よ、それよりも…」
「そうだ。」

バブイルの巨人が、轟音を鳴らした。

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