汚れた自分。
昔から知ってた。
生きる為の必然。
奪う理由。
戦う訳。
何もかも。
自分はずっと戒めてきたのだ。
過去を。
今を。
忘れないと決めたのに、また私は忘れていた。
思い出す度に自分が嫌になる。
汚れた自分。
清廉な水の中に一濁り。
濁りは全てに溶け込んで、濁らせる。
濁水は自分。
異端は排除したほうがいいのだ。
「…そうしよう。」
全てが終わったら、姿を消そう。
誰の目にもわからないように。
ひっそりと暮らそう。
時稀にはいるバロンのセシル王の話をきいて、元気そうだな。と思えれば幸せだ。
目の前に映る青の星に小さく息を吐き出した。
目の前で輝いている星は、静かに表情を変えようとしている。
「ゼムスは必ず倒す。そっから、逃げる。」
握った手をゆっくり開いて、手を見つめると、くっきりと爪痕が残っている。
それは堅い意志のようにはっきりと型が付いた。
「絶対に逃げ切る。」
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