全てに嘘を吐きませう。
火を見つめ、考えた。どうすれば一人で四人と戦える。何をすれば、弱点を突ける。
「インシデントソルジャーで、なら。大丈夫だろうか。」
今まで見たパターンと、考えていけばインシデントソルジャーが一番変化に耐えうる可能性が出てくる。あいつらとずっと鍛錬をしていたが故に、幾分かは強くなっているかもしれない。
でも――…。
「やるなら、その時しかない。」
決着は誰かにつけてもらうのではなく、自分でつける。
血で汚れたなら、血で濯ぐしか方法はない。自分の手は昔から汚れている。汚れきった手で、何も触れる事は、出来ない。
諦めるしかないのだ、自分には。
この罪は深く酷い。
全て消し去れない。
今までの自分も。
今からの自分も。
何も出来ない。
血まみれた私。
何も出来ない。
汚れている私。
もしかすると、この始まりは。
全てを捨てる始まりだと思う。
諦め捨てる旅。
過去を抱く旅。
終わる旅。
終わる度。
終わる為に、私は嘘を。
全てに嘘を吐きませう。
聡い人ばかりに嘘を。
嘘を吐き続けませう。
すべて、戦いのため。
すべて、終焉のため。
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