天には太陽、そこに黒。
目を開ければ、天高々に太陽が登り、昼だと知らせる。
波打つ砂浜に、自分の体と繋がった紐で結ばれている大刀と、道具袋が一つ。良かった、自分のだ。中身を確認して、腰につける。
「現在地確認のために町を、探さないと。」
それから、バロンに向かう手筈をたてなければ。きっと、バロンに向かえば、誰かに会えると決めて、立ち上がる。
これからの予定を組み立てながら、辺りを確認して、歩きだした。
「エブラーナ近辺ではない事を祈ろう。」
カチャリカチャリと鉄を鳴らして、砂浜に足跡を残す。
足はまっすぐ、東に向う。魔物の群れも全く見ない。……見れば、凡その場所が検討つくのに。と、ため息一つ吐いて、サメラは前を見据える。
……陽炎に揺らめく、黒が動いている。
ふと、下を見れば、自分より先を行く1つの足跡。……人だ。その格好も見覚えがある。
「セシル。」
声をあげると、反応して黒が振り返る。向こうが自分だと理解したらしく、砂丘を駆け降りて来た。
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