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「あばばばばば」

砂を踏みつけて、ザリザリと鳴らして月を歩く。音はない。有ると言えば、サメラとセシルの二人分の足音が鳴り響く。

「ねえサメラ。一つ聞いていいかな?」
「何かあるのか、セシル」
「これは、どこに向かってるの?」
「…晩飯のための食糧狩り。と言えばいいか?」

答えると、足音が一つ消える。横にいた銀が居なくなって振り返ると、ひきつっている銀がいた。

「セシル?」
「もしかして、今まで肉が出た日って。」
「そうだな、魔も「あばばばばば」…聞いてるのか?」

丁度必要な部分を、耳を手のひらで叩いて、聞こえないようにしている。聞いておいてそれはないだろう。もう一度同じ事を言うと、また同じような動作を取る。

「今まで何回もしているが?」
「ほんとに?」
「後何日か、肉類が食べられないからエドワードが文句をいう。」

食に細かいからな。そろそろ一回でも、入れとかないと、五月蝿い中で、魔導船に乗りたくないだろうが。

思うだけで頭痛がする。なにもせずに、予測ができる。痛まない頭を押さえてサメラはため息をついた。

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