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「至って本気だがな。」

「ごめん。」
「サメラのごめんは、何回も聞いてる」
「確かに。」

何回言っても足りない。
でも、言わせてください、ありがとう。と。

生きてくれて。
片割れと存在してくれて。
一緒の立場でいてくれて。
あなたが、片割れで。

「生きていてくれて。ありがとう。」
「ずっと探してたもんねサメラ」
「だから、感謝しきれない。」

顔を上げればセシルがいて。幸せそうに笑っている。釣られたようにサメラも笑顔で返して、笑いあう。

「とりあえず、帰ろう。そろそろエドワードがお腹を空かせて待ってるからな。」
「そうだね、エッジが暴れるとアレだし。行こうか」

二人で苦笑しながら、歩を揃える。
揃って歩くと、双子。というのが、実感出来る気がする。

「こんなのんびりした、幸せなら、どうして最初から掴まなかったんだろう。」
「今掴んでるからいいんじゃないかな?」
「確かにな。…でも、この事実が不安なら、墓場まで持っていくつもりだったんだがな。バロン国のセシル王が…って聞く度に幸せになる。」
「言い過ぎだって。」
「至って本気だがな。」

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