[携帯モード] [URL送信]
はた、とそこで気がつく。

「ところで僕らが乗ってきた魔導船は?一体?」
「遙か昔に私の弟クルーヤが作り青き星へ下りていった物じゃ。クルーヤは未知のそなたらの星に憧れておった…デビルロードや飛空艇の技術はその時もたらされたものだ…。そしてクルーヤは青き星の娘と恋に落ち一人の子供と双子の姉弟が生まれた…」

はた、とそこで気がつく。
待った。と声をあげようとしたが、口からは息しかでなく、手は空を掻いた。まだ、話してないんだ。

「そのうち一人が…そなたとそこのおなごだ。」
「っ!!、僕とサメラが…?」

視線が刺さる。…言わなければ、なにか一つでも放たねば。と思うと思う程、頭の中で言おうとした言葉がかき消される。

「知ってた。言おうとした、でも、タイミングが掴めなかった。夢で見ただけだから事実か虚像か解らなかった。口に出すのすら、怖かった。事実だとしたら、どうして黙っていたの?と言われるのが怖かった。だから嘘だと思った、でも、事実だと理解した。家族がいて、良かった…セシル。」

言葉を連ねる度に、息が逃げる。待ち望んでいた反面恐怖が否めなかった。言おうとしたけども、なんだか言えず終いだ。

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!