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先に進まなければならない。

「セシル。」
「うん。」

いつもの通りの戦い方。サメラがフェイントをかけて、セシルが攻撃をする。時稀にその立場が逆になったり、二人ともが続けて攻撃する時もあるが、そんな時に双子特有の意思疎通が出来ている。と実感する。

「二人とも離れて!」

ローザの声を聞き二人は左右に分かれるとローザが狙った矢が刺さる。それでも平然と魔物は立ち上がり、的がセシルに変わった。危ないと本能が告げ、降りかかる呪文をセシルの前に立って切り裂く。

「大丈夫か?」
「うん。」
「続き行くぞ。エドワード!」
「おうよ」

サメラの声に反応して、エッジが手裏剣を投げた。トンと軽い音を立てて魔物が倒れた。

「後少しで目的の場所に付くから、頑張ろう。」

久々の戦闘で体の節々が悲鳴をあげているが、そんな場合ではない。先に進まなければならない。だから、こんなことで立ち止まってる時間が惜しい。
そんな慌ただしさの中で浮かぶ今は居ない銀蒼の仲間。今はそれどころではない考えを捨てる為に、サメラは頭を振った。

「あ、サメラがカインの事考えてる」

クスクス笑うリディアの隣に真っ赤になるサメラがいた。

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