王族、身の回りに結構いる。
「僕の…親友だった。」
視線が落ちて、セシルがぽつりぽつりと呟くように言葉を紡いでいく。…共に、戦おうと誓ったのに、と言葉を無くして、沈黙が積もる。すこし間を開けて、とにかく今日はゆっくりやすもう。とギルバートが沈黙を破ったのだった。
「今日は、これぐらいにして、明日に備えるのが、最善だろう。」
「サメラ、お腹すいたー」
「じゃあ、ご飯行こうか。そろそろ夜だしな。食べてから、お城の散策でもしようか。楽しいの、あると思うか」
「うん!」
リディアの手を引いて、宿屋を出て何処かに出ていく。
どうすることも出来なく。
夜を待ち、寝床に就いて。
一つあいたベッドが妙に。
妙に、寂しく感じられた。
ただ、ただ。朝を迎える。
そうか、あいわかった。すぐさま、船を用意させよう。
それが、ファブール王の答えだった。
案外、こうやって簡単に王族に会えたのは、ダムシアン王子のギルバートのおかげか、それとも曽長のヤンのおかげか、考えてみた。そして、結果は素早く弾きだされた。どちらも同じぐらいだと言うことに結果が向いた。
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