「殺してない?」
「はい、サメラ。」
「すまない、ありがとう。セシル」
鉄製コップが紅茶の熱を吸収する。じんわりと来る暑さで、暖をとろう。と決めた。
「向こうは、どうだったの?」
「楽しかったような気がする。」
目を閉じれば、すぐに思い浮かぶ心配性の死人遣いに、適当な亀、姉気質の風遣いと、俺様何様ルビカンテ様。それから、電波。
「短い間だけれども、存外に楽しかった。まぁ、そこまで待遇は悪くなかったさ」
セシル達は、何か有ったのか?
そう問えば、セシルの目線が反れた。
「僕達の方は、マラコーダがサメラの姿をして来たよ。」
「マラコーダが?。」
一口つけてから、ミルクと砂糖をドバドバ入れていく。一つ二つ三つ……
「サメラ、どれだけ入れるの?」
「あと二つ。だな」
「今、幾つ入れた?」
「五つ。」
「七つも入れるの!?」
「甘党だからな」
「甘党すぎるよ。」
ニヘラと笑ってみたが、笑ってる場合じゃないよね?と何故か怒られる。……何かしたか?
「で、マラコーダを倒したのか?」
「いいや、マラコーダは死にたい。と言ったから、スレスレ横の地面をさして…」
「殺してない?」
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