[携帯モード] [URL送信]
真夜中に、銀行も開いている筈がない。

「装備品が全くない中で、戦闘は困るからな。揃える為にちょっとお金を下ろしてくる。」
「下ろしてくる。って、どうやって?。」

真夜中に、銀行も開いている筈がない。どうやって、お金を引き下ろしてくるのだろうか、リディアはこてん。と首を傾げる。

「なんなら、見に来るか?別に、見られても困るようなもんじゃあない。」
「いいの?サメラ。」
「因みに、おまえ等の生活費にもなるからな。知っておいて損はない。来るのか?」
「私は遠慮しておくわ。一杯してから、眠るわ。」
「そうか、分かった。おやすみ、ローザ。」
「えぇ、おやすみなさい。」

サメラが立つと、周りが後を追う。そんな光景を見てローザは、家鴨の親子を連想して、笑みを零して、カップにお茶を注ぎ込んだ。香りよい匂いが鼻孔を満たす。
香りを楽しんで、ローザはカップの底に溶け残る砂糖を溶かした。

ほんの少しの間に色々あったのね。と全てを悟るように、ローザは口角を上げた。形のいい唇が、三日月型になりかわる。

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!