[携帯モード] [URL送信]
パロムとポロムを。


そこからどうやってミシディアに着いたかなんて覚えてない。無我夢中だったのもあるし、詳しくはあんまり覚えてない。

もしかすると、上手く捲くことが出来てるのかもしれない。

ただ、ミシディアの陸地に着いてからが大変だったようなきがする。
武器もなく力だけで強行突破してたような。
そうでなかったような。

「サメラ。」
「長老。」
「パロムとポロムは元気かの。」

あぁ、そうだった。未だ言えてないんだった。事実を未だ伝えてなかったんだ。

「二人はバロンで、自らに魔法をかけて私たちを救ってくださった。」

二人の意志は解る。
でも、何か方法があったはずなのに。

「長老。パロムとポロムを助けてあげてください」

すぐに思い出せる、暖かな温もり、優しい記憶。今は無いけど、二人の絵、大切に持ってた。リディアの絵と一緒に。

「私の我が儘かもしれませんが、長老。」
「うむ、なんとかしよう。」
「長老…!」

窓から見える空は、私の心とは違う青だった。

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!