パロムとポロムを。
そこからどうやってミシディアに着いたかなんて覚えてない。無我夢中だったのもあるし、詳しくはあんまり覚えてない。
もしかすると、上手く捲くことが出来てるのかもしれない。
ただ、ミシディアの陸地に着いてからが大変だったようなきがする。
武器もなく力だけで強行突破してたような。
そうでなかったような。
「サメラ。」
「長老。」
「パロムとポロムは元気かの。」
あぁ、そうだった。未だ言えてないんだった。事実を未だ伝えてなかったんだ。
「二人はバロンで、自らに魔法をかけて私たちを救ってくださった。」
二人の意志は解る。
でも、何か方法があったはずなのに。
「長老。パロムとポロムを助けてあげてください」
すぐに思い出せる、暖かな温もり、優しい記憶。今は無いけど、二人の絵、大切に持ってた。リディアの絵と一緒に。
「私の我が儘かもしれませんが、長老。」
「うむ、なんとかしよう。」
「長老…!」
窓から見える空は、私の心とは違う青だった。
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