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「誰がっ、待つか!」

走る走る走る走る走る走る走る。
数える暇はない。
急がなければならない。
後ろは振り返らない。
聞こえる声は遠い。

唐突の行動によって出来た。
いくらかの貯金-距離-を切り崩しながら。

走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る走る。

太陽の下を走る、第一の目標は未だ見えぬエブラーナの最西端。

突如として襲ってくる風を飛んで跳ねて反れる。
頬に切り傷が出来ても気にしない。
逃げなければ、やられるから。

「武神事変-Satellit Reacter-待ちなさい!」
「誰がっ、待つか!」

こんなやり取りを何回か繰り返すと、見えた。終わりが。エブラーナの最西端。

「武神事変-Satellit Reacter-。海の中まで行くんじゃないの!」
「ファイラ!」

炎と水が反応して爆発的な煙が湧く。そこから騙すように連続する爆発を北上向ける。今の間に息を吸って、潜り行く。

「……このまま、見つからなかったら……!」

淡い期待を胸に静かに、泳ぐ。
ゴメンナサイ、バルバシリア。
ありがとう、楽しかった。

忘れないから。
この毎日を。

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あきゅろす。
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