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守るべきもの。

ゴルベーザの手から、まばゆい光が飛ぶ。

「ッチ!!」

セシルを掴んで、後方に放ってからサメラが横飛ぶ。同時にヤン達が掛かる。だが、ヤン達は衝撃波で、飛ばされる。

戦えるのは、自分一人。守らなくては、ならない。…人も、クリスタルも。

「カイン、クリスタルを手に入れるのだ。」
「させるか。」

起き上がるために、震える足を、叱咤して前に進む。……女って不便だななんて、思いながら立ち上がる。

「やめてカイン!!」
「っ!!」
「下がるんだローザ」

ローザに歩みを進めるゴルベーザの前にもう一度立つ。

「貴様、死にたいのか。」
「誰にも、手を出させない。」
「ならば、死……。」

低いテノールボイスが、途中で止まった。大刀を握り直して、切りかかろうとするが、今度こそ払われる。

ほう、そんなにこの女が大切か。ならば、この女は預かっておこう。
そう言ったゴルベーザのマントの中にローザが消える。

「お前とは、ぜひまた会いたい。その約束の証としてな。」
「……っ。」
「お前の名前は、何だ。」
「名乗る名前なんかない。」


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