[携帯モード] [URL送信]
「……あなた。」

「ねぇ、サメラ」
「どうしたローザ?」

心配そうな金が、青を覗き込んだ。マラコーダは、きちんとその瞳を見て、言葉を放つ。思たげな槍を手にローザがサメラの隣にやってきた。

何日か、武神事変-Satellit Reacter-を観察して、理解したことだ。きちんと、相手の瞳を見て、話をしていた。

「この槍、カインのだったんだけど、新しいのに持ち替えたから、サメラが使うかな。って。」
「あぁ、ありがとう。」
「……あなた、サメラじゃないわ。」

呟いた声は衝撃を与えて、波紋をたてる。ざわざわ、と音をたてて、視線があつまる。

「ローザ?」
「サメラは、こういう時は決まって、すまない、って言うんだから。それに、視線は、嘘をついてる時にしか合わさないのよ。サメラは」

してやったり、と言わんようなローザの笑みに、マラコーダは焦った。これだけ窮地に立つのは、どこの戦場以来だっただろうか。焦る頭で、のんびりと構う自分がおかしかった

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!