ブリツェンスペシャルだ。
「踏み込みが甘い。」
「うわぁっ!」
カン、と綺麗な音を鳴らした木刀で横っ腹に一太刀。勢いに負けてエッジが、飛ばされるのをサメラは目で追った。
「やりやがったなルドルフ!」
「なんとでも言え、一太刀も浴びせられない奴の話は聞かない事にしてるのでな。」
うっわ、ひでぇよ。とエッジが漏らしたが、サメラは聞く耳を持たずに、木刀で素振りをしていく。
「エドワード、飯にするか。」
「やりぃ!ルドルフ、今日はなんだ?」
「ブリツェンスペシャルだ。」
「またかよー」
文句を言うなら食うな。一喝してサメラはサッサと歩き出す。慌てたエッジ、サメラの後を追いつく。
「しばらく、食えなくなるから、よく味わっておけよ。」
「…どういうことだ?ルドルフ。」
「キャラバンの下準備が終わったから、また旅立つことに決まった。」
しばらくの、別れだ。エドワード。
木刀を背負い込んで、カツカツと歩いていく。サメラは何も語らず、エドワードは何かいいたげに、口を動かすのが見えた。
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