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食われたいのか!

俺が初めて、サメラ・ルドルフという人物を知ったのは、何年前か分からない。でも、確かに言える事は、彼女はキャラバンに属し、各地を転々としながら慎ましやかな生活を過ごして、その偶々が、ただエブラーナであっただけだ。

エッジは、家臣共の目を盗んで、遊びがてらに、エブラーナの平野にきていた。広い平野と、青の空。見える塔。

「眠てぇなぁ。」

欠伸を噛み締めて、大きな伸びをして空を見つめる。空に魔物がいるが、シミのように点で居た。

「シミ、デカくなってる気が……って、待て!」

じっくり点を見つめていると、ただシミが大きくなっていく事実にエッジは慌てふためいた。点は次第に魔物の形に変わり、大きな寄声をあげた。
慌てているエッジに、反撃という文字はなく、ただやられる。と予想して、目を閉じた。

だがしかし、衝撃はいつまで経っても来ず、逆に金属音が鳴る。

「いつまで、寝ているつもりだ。食われたいのか!」

爪の攻撃にたじろうことのない女がいた。男用の甲冑を纏い銀の髪を三つ編みにして、真っ直ぐ背中を走る。瞳の青は、厳しくエッジ貫いた。

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あきゅろす。
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