男、ゴルベーザ。
カインのジャンプの衝撃で、セシルが数メートル飛んだ。
「セシル。」
「今、楽にしてやろう。」
掴んだ槍を振り上げる。そうはさせん!とヤンと一緒に飛び掛かる。が、振り払われる。
めげずに、もう一度飛びかかろうとすると、静止の声が聞こえた。リディアとローザがクリスタルルームに走り込んで来た。
「ローザ…!」
カインの手が止まって、床に槍を付け、頭を抱える。セシルとカインとローザのやりとりを、ただ静かに見ているしか、出来ない。
「何を血迷っているのだ、カイン。」
「ゴルベーザ」
鉄の音を鳴らして、新たな奴がやってきた。濃紺や藍色の下地に、要所要所に金の細工をした鎧に身を包みその噂のゴルベーザがやってきた。
「貴様が、ゴルベーザ。」
「お前がセシルか。会えたばかりで、残念だが、これが私の挨拶だ。」
そういって、ソイツが、手をだす。大刀を掴んで、セシルを飛び越える。
「手は出させない。」
「邪魔だ。」
「倒してから、……私の屍を越えてからにしろ。」
町の仇は、とらせてもらう。静かに腰を降ろし様子を見る。
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