闇に溶ける中から、一筋の光を掴んだ。
「サメラ。」
緩やかに笑うローザの笑みが陰る。綺麗なローザの笑みが消えた。
「サメラ、ノ、セイダ!」
「サメラ、ガ、壊シタ!」
「全テヲ、崩シタ!」
……閉ざしても聞こえる声が、リアルすぎる。声が、酷くトゲトゲしく聞こえる。
しばらくしてからローザから姿を変えて、それは私の唯一の片割れに姿を変えた
「……セシ、ル。」
「壊シタ、僕ラヲ!姉サン、ガ、僕ラヲ!」
そう言われて、胸の奥底が冷えた気がした。心の底が冷たくなるような。なんだろう。この気持ちは。
無くすような喪失感。
ぽっかりと、穴の空いたような。
なんとも言えないセンチメンタル。
立ってるはずなのに、空間が回るような。
「サメラ、ルドルフ。」
そこにあるのは、静かな闇。
優しく浸る、真っ暗な静。
呼んだのは、誰。
壊したのは、私。
殺したのは、私。
貴方がたは、誰。
「さて、ら、いとりあく、た……」
悲しいなら呼べ。
悔しいなら呼べ。
我は全て応えようぞ。
闇に溶ける中から、一筋の光を掴んだ。
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