いつもではない、違和感を覚えた。
「地下の方に落とされたみたいだな。」
「サメラは?。」
仲間を見やれば、自分と同じ色を持つ仲間が居なかった。馴染んだ白と青。
僕と同じ色を持つ、小さくて強い僕らの仲間がいないのに気がついた。
いつもだいたい僕らの前を歩いて、僕らの身をいつも案じてる彼女の姿がない。
いつもではない、違和感を覚えた。
「サメラ!。」
穴の下で彼女の名前を呼ぶ。
微かに聞こえてる声が、距離の遠さを表してる気がした。
「さきにいけ…!」
叫ぶ、悲痛な声。穴から降る雨はたぶん、涙。
きっとサメラの事だから、落ちそうなのもお構いなしに、身を乗り出して叫んでるんだと思う。
「エドワード、セシル、ローザ、リディア、カイン!聞こえてるなら、早く逃げろ!ここはどうにかしておく。だから、…………」
最後に行くに連れて、消える声。
もうサメラが居なくなりそうな、感じを受けた。
「行こう。そして、また来るから。」
寂しさを紛らわせるように、声を出したが、輪をかけて、寂しさが襲うような気がして仕方ない。
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