ファブール城。
「ゴルベーザなる者がバロンを動かし風のクリスタルを奪いにくるとのことです!」
ヤンが報告をしている間、視線を動かした。リディアが右隣でちょこんと、立っているし、ギルバートはリディアの反対隣にいる。
「そのほうたちは、何者じゃ?」
「時間がありません。早く守りを固めないと。」
「しかし、その姿はバロンの暗黒騎士。信じてよいものかどうか。」
……こういう場所に立つと、いかに自分が短気なんだと実感する。平然を保っていられるか、心配になってきた。貧乏ゆるしをしそうになった途端、行動が見られた。
「お久しぶりです、ファブール王。」
「これは、ダムシアンのギルバート王子。」
……王子?。耳がおかしかったか…王子って言わなかったか。今。
「サメラ、変な顔してる」
「っ!?リディア……」
大人に変な顔って、言わないでくれ。と心の中でぼやきながら、視線を隣に移すと、クスクス笑っている。…こどもって、無邪気でいいなぁ。なんて思った。
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