…待てよ。
「落ち着いた?」
バルバシリアの声に、沈黙状態のサメラが小さく縦に頷いた。それと同時に回復薬を手渡してくれた。…待てよ。
慌ててグイッと飲み干してから確証を得た。
「バルバシリア、これは私のじゃないか。」
「だって、エスナ覚えてないんだもん。」
だからって…!
「クカカカカ!万能薬やるから、元気だせって武神事変-Satellit Reacter-」
差し出された万能薬を受け取って、ローブの中にしまい込む。いつもの位置に当たる冷たい感覚に落ち着きを感じる。
「ん…」
「さ、武神事変-Satellit Reacter-。早く行くわよ」
「行くってどこにだ?」
「決まってるじゃない。ゴルベーザ様の所よ」
「え……。」
今、なんて言った?聞こえたのはゴルベーザがどうとか聞こえたが。聞き間違いか。
「嫌だ!」
「捕虜のあんたが、どうこう出来る権限があると思ってるの!!」
確かにない。あるとすれば生きるか死ぬか、はたまた脱走するかぐらいしかないし脱走しても上手く行くかなんて自分の技量にかかってくる。
ある程度戦った四天王がいる。と言うのが今回の好機。それに少ない今だからこそ決行するなら今しかない。
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