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「全く。」

バルバシリアの影から伺えども見えなく、彼女は横にそれて声の主が現れ勢いついて、二三歩前にくる。勢いに圧倒されながらサメラは声の主を見た。濃い青を基調とした服を纏い、俺様風貌を漂わせている男。

「武神事変-Satellit Reacter-、こんな所にいたのか。部屋に居ないから探したんだぞ。俺様が部屋に行ったら、間抜けの殻だから焦ったぜ」
「もぬけの殻でしょうが。ちょっとは言葉を覚えなさいよ。」

バルバシリアと男が、睨み合うようなやり取りを繰り返す。

「武神事変-Satellit Reacter-、こいつ誰か分かる?」
「全く。」
「俺様は、この姿で会った事はないからなぁ、この姿なら分かるだろう」

と言って、男の姿が変化していく。鋭利な爪、見覚えのある甲羅、そこでサメラは誰か。というのに気がついた。

「…水のカイナッツォ……!!」
「そんなに俺様が恐ろしいのか?」
「双子の恨み、……サンダガ!!」
「ちよ、武神事変-Satellit Reacter-落ち着きなさいって」
「サンダラ、サンダガ!!」
「サイレス!!…ちょっと落ち着きなさいって」

魔法を唱えようとするサメラの口を抑えこんで、バルバシリアはやれやれと息づいた。

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