貴方は私。私は貴方。
片割れはセシル。
淡い記憶の中で聞いた言葉がリフレインする。
質の違う同色の髪。
捉えが違う眼の色。
複雑な意思の疎通。
どれだけ遠くにいても。
家族であり片割れ。
怪我もしてないのに、痛んだりした事もあった。そして逆も然り。
貴方は私。
私は貴方。
そんな事実に気がついて、私だけが理解している。
気付かれないように、そっと守っていこう。
私の光、私の願い。
探し物は案外近くにあって。
知った時は戸惑いを覚えたけれど。
それも受け入れられる。
よりも何故、最後に金を見たかったのだろうか。
メタリックブルーの中の、意志の強さに。
吸い込まれるような、静かな蒼に。
それはセシルとも私とも違う蒼。
意識が急浮上をして、感覚に痛みが宿る
。そっと瞳を開けると、そこに金がいて心臓が跳ねた。
「……!?」
「武神事変-Satellit Reacter-、起きたの?」
視界の先で、女が立った。逆光故に輪郭しか伺えない。しかし、その輪郭に覚えがあった。
「風のバルバシリアか?いつの間に復活した」
飛び起きると、傷が痛む。そのままお腹を抱え込む形になる。そこでふと気がついた。
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