ケアル!。
「僕は、ダムシアンの王子です。」
「僕とローザはバロンにいました。この子も、敵の術中にはまり、ぼくが……」
「………」
うつ向いたヤンが、頷いた。助太刀願えるか?と足した。それに、各々が頷き手伝うと意思を示す。
「もちろんです!さぁ、ファブールへ!」
「ファブールは、東の山を越えた所。さ、参りましょう!」
はやる気持を押さえ、一行はファブールへと向かいだした。
「サメラ。」
「怪我してるわ。」
「これぐらいなら、平っ……」
ヒリヒリする背中を触られた。痛みに耐えかねて、サメラが飛びあがる。
「セシルっ。」
「そこまで痛みに耐えなくてもいいのよ。サメラ。ほら、ケアル。」
ローザが、火傷をした背中に回復魔法をかける。ヒリヒリした背中が嘘のように何も訴えない、
「…ローザ、ありがとう。」
「どういたしまして。」
ニッコリと笑うローザは、弓を持ち直して、山を歩きだした。
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