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彼等の幸を願って。

しんがりに付いて、サメラがフラフラと歩いて行く隣でリディアが心配そうに荷物を持とうか。声をかけてくる。

「リディア、この先の橋を渡ったら出口だ。伝えてきてくれるか?」
「うん。」

いつもと変わらない笑みで、リディアがセシルの所に走っていく。向こうで、伝えている間に、こっそりケアルを掛けた刹那。暗い低い声が聞こえた。憎しみを持つような、そういうイメージが受けた。

「なかなか楽しませてくれる…」
「ゴルベーザか、その声」
「鬼のいぬ間に命の洗濯か?遊びはこれまで…そろそろお別れを言おう武神事変-Satellit Reacter-は預かっておこう。さらばだ、」

目の前の橋が崩れた。追いかける事はもう無理な距離が開いた。別の出口を探さないと。なんて悠長な事を考えた。

「橋がっ…!!」
「サメラっ」
「先に…がはっ…」

血を吐いて、膝をつく、息が出来なくて苦しい。
体力が限界だった。こうして一人で死んでいくのかと思うと寂しい。セシルの青と龍騎士の蒼を最後に見れてよかった。

一人ゴチって、彼等の幸を願って意識は沈んでいった。

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あきゅろす。
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