[携帯モード] [URL送信]
キチンと行くから。

「このバブイルの塔は大地を貫き地上と地底を結んでおる…クリスタルはすでにルビカンテが地上へ移した!ドワーフはわしの作った、巨大砲で全滅じゃ…」

高笑いをしながら、ルゲイエは爆発して、肉片を飛ばした。血を吐き出しそうな痛みも、ゆっくり引いていくのを感じてサメラが立ち上がる。

「ドワーフさん達がやられちゃう!」
「巨大砲とやらを」
「破壊せんと!」
「とりあえず、話は後で聞くからね。サメラ」
「分かっている。」

後から追いかける。先に行け。キチンと行くから。隣に立つリディアの頭を撫でて、先に行くように促した。泣きそうなリディアの背を見送る。

「ケアルラ」

肉体的な回復の為に魔法を発動させて、覚束ない足取りでサメラも後を追いだした。ぼう。とする意識の中、がむしゃらに足を動かして、階下を目指し始めた。

よたりよたり歩いていくと、血臭につられてか、魔物の気配がする。

「来るなら来い。」

相手はしてやる。
ただ、私が死ぬか、お前が死ぬか解らないがな。

小さく呟いて、再び、息を吐いた。
疲れが浮かび上がった瞳は静かに伏せられた

[*前へ][次へ#]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!