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小さな密約が交わされた。

「リディア。」

手を差し出して、包丁…と放てば、ニッコリ笑って料理の手伝いを買って出た。

「龍騎士、疲れただろう。休め…」
「おま…。」

生臭い肉を、龍騎士の口に突っ込んで、上手いか。と聞いて部屋の奥に引き連れた。

「その話は…」
「なら、お前が休め。」

血を吐いて、へたり込んでた奴が、何をいうんだ。詰めると、サメラが黙った。

「今日、料理なんかしたら、言ってやるからな。」

きつく、念を押すとサメラがブンブンと縦に頷く。銀の髪が、主に従って上下に揺れる。

「……なら、美味くな。最近、奴らは五月蝿い。」
「あぁ、わかっている。毎日見てるからな。」

やれやれ、と言わんばかりの龍騎士と、怒られるのを絶対に避けたいサメラの小さな密約が交わされた。

「サメラー?カインー?」
「いや、セシルの作った肉がどうして不味いのかの議論だ」

平然と漏らすサメラの嘘は、当たりなのかもしれない。平然と疲れた、寝る。と答えて、大刀を抱く様に抱いて壁に凭れながら息づいた。

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