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相も変わらず左腕は痺れて使いものにならない。

バブイルの塔か。とサメラが漏らした。ここの塔なら昔独りで登らされたからキッチリと覚えている。……このルートで侵入してはないが。

あの時は弱かったからなぁ。と昔を思い出している場合ではない。ふと我に帰りぼんやり考えては、昔を懐かしむ遠い目をしている。

「サメラ、どうかしたの?」
「なんでもない。昔の自分は愚かだったな。と思い返しただけだ。」

考えたら情けなくなってな。ポーション一つはきつかった。こっそり調達していたポーションがあったからこそ生きていたが……。

「とりあえず、みんな行っちゃうよ。」
「あぁ、今行く。」

ゆったりと歩きながら、サメラは珍しく一番後ろについた。……予想なら、ここにも四天王が一人。構えているだろう。塔に乗り込む前に、サメラはバブイルの塔を見上げた。

相も変わらず左腕は痺れて使いものにならない。

「脚しかないのか」

自傷的に笑って、サメラは歩いている。

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あきゅろす。
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