いきなり泣く、起きれば挙動不審。
夢とは違う不思議な感覚。
触れた手のぬくもり。
間違いない、夢じゃない。
と確信する。…する。じゃなくてどーすんの、私。
自分自身に問い掛けたが答えは出ず、視線だけをうごかしセシルを盗み見た。人がこれだけ悩んでるのに、セシルは悠々と寝ている。
……怒っても仕方がないのだが。
肩を落として、意識を別方向に持っていく事にした。何か別を考えねば。
「おい。」
「どうした龍騎士」
何を考えるか考えようとした矢先、声をかけられて、視線を龍騎士にむける。
「どうかしたのはお前の方だ」
いきなり泣く、起きれば挙動不審。いきなりそう変化すれば、誰しもが聞くだろう
「……変な夢を見たから、慌てているだけだ。」
悪かった。とサメラが一言放って、また眠る為に瞳を閉じた。
そろそろ地上に朝がくる。
また長い1日が始まる。
さぁ、頑張らないと。
小さくサメラがこぼした一言はカインの耳に届いたが、深く追求はしなかった。
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