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先に気付け自分の馬鹿。

「………っ!」

バサリと音を立ててサメラは飛び起きた。当たりを見回しても、周りは寝息を立てて……。

「起きたのか」

否、龍騎士だけが起きて火の番をしていた。厳しい光が重なった。

「……そうか。」

さっきのは、夢か。居場所云々で、泣き疲れて寝てしまったのか。…そんな気がする。いやいや、今はそれどころじゃない。さっきのは、正夢か否か。頭の中で議論がされる。

あれは記憶なのか、ただの幻想なのか。そう繰り返し夢の内容を振り返った。

セオドールと言う名の少年。
それから……セシルとサメラと言う名前の弟と妹。

セシルとサメラ…

「…っ!?」

本日二度目の飛び上がり。今、なんていった!?。

セシルとサメラが弟と妹。
……セオドールは兄で、セシルと自分が双子。

ぎゃあああ、先に気付け自分の馬鹿。
声に出せない悲鳴をあげて、サメラがわなわなと震える。……もちろん、こっそりとだが。

今まで何度も、双子特有の意思疎通が出来てたではないか。そういうのも、パロムとポロムを見て学んだではないか……!。なんたる失敗。なんという失態。
予想は予想、現実は違うと思ってたのに。

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