[携帯モード] [URL送信]
真夜中密談会。

しばらく泣いて、静かになった。ローザが声をかけるころには、小さく眠っていた。

「寝ちゃったみたい。」
「相当、泣いてたからね。」
「つらかったと思うの。」

辛い大人ばかりの世界で生きて。
外面ばかり気にする人ばかりで。
本心に触ろうとしない人ばかり。

息が詰まる居場所で生きてきた。
そんな苦しい場所で生きてきた。
心の叫びも消して答える筈なく。

心に深く蓋をして、漏らさない。

「私、サメラが泣いたの初めて見た。」
「一回見たな。」

ぽつり、と零す言葉に、カインがそう放った。一言で、視線が一瞬にして集まり注目される。

「いつ、どこで」
「ゾットの塔からバロンに着いた晩に。王の間の少し手前で」
「……あ。」

そうやってサメラ泣くのに、セシルは心あたりが有った。双子の魔導師が、ふと頭に浮かんだ。

「パロムとポロムだと思う」

リディアが居なくなってすぐに、起きた問題だったし、結構落ちてたと思う。

[*前へ]

第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!