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この旅が終わったら.

一行は、明朝にバブイルの塔に潜入しようと目論んで塔より少し離れた場所にコテージを張って、今晩ね場所を確保し各々が寝る支度をしている最中に問われた。

「ね。サメラ」
「…?」

ぼんやりして、話を聞いていなかった。。小さく首を傾げ、何の話だったかと記憶を引き出した。が、まったく思い出せない。

「聞いてなかったのか。」
「ぼんやりしてた。」
「サメラらしくない。」
「一を十で返さなくていい。」

ため息をついて、サメラは頭を抑えた。もう、なんと返せばいいのやら。

「……この旅が終わったら、どうしようか。考えていた。」

目的が終わってしまえば、生きる意味が無くなる。その先は、どの道を歩くか考えていた。

育った街はない。
馴染んだキャラバンだってない。
振り返り、思い出すのは後悔ばかり。
後ろに捕らわれたまま。

マイナスに走ってしまう視線を落として、空のコップを掴んで水を注ぐ。

「バロンに来たらどうかな?」

そうしたら、僕もローザもカインもいる。職だって紹介出来るし。居場所が無い。というけど、今はここが有るから。
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