[携帯モード] [URL送信]
悪夢 再び。

「サメラ、痛いの?」
「怪我などしてない」
「サメラ、嘘吐いてるでしょ、吐いてる時はいつも、真っ直ぐ見つめてるもん」

そこまで言われると、なにも言い返せなくなる。どうしようか、と考えているとリディアに腕を捕まれた。

「……っ…」
「痛いんじゃない!サメラ!ローザ、サメラが怪我してる!」

あ、やばい。地雷を半ば強制で踏まされてる。なに、この踏まなきゃ駄目的な空気。

「「サメラ?」」

地底来る前にもあったよな。この光景。
と言うか、なんで、こう怒られてるんだろう。言われるがまま、なすがままに腰を下ろして、正座をする。

「いつも、なんて言ってるっけ?」
「…隠し事はしない」
「じゃあ、どうして黙ってたのサメラ?」
「……いや、あの、」

くちを噤んで、何も言わない。
だんまりを決め込んで、サメラはふい、と視線を投げた。

「サメラ、内傷か外傷なのか教えて?」
「…………わからない」

痛いのか、、痛くないのか、……微かな痺れがあるだけだ。とくにこれといった怪我でない。

「行くぞ。地上に夜が来る。今晩の準備をしなければ、コテージ無しの睡眠になる」

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!