おばあちゃんみたいな考え方!
バブイルの塔に向けて、一行は灼熱の地をくぐり抜け歩いていた。その中でも先頭を歩くサメラは、涼しい顔をしている。
「……ねぇ、サメラ」
「どうした、リディア」
当然と其処に幼少期と変わらず、リディアがサメラの隣にいる。幼少期と違うのは、サメラが頭を撫でないことだろうか。
「サメラって、魔法使えたっけ?」
「突然出来る様になってた。白魔法も黒魔法も。」
魔法は必要な時に使うモンだ。無闇には使わない。
「必要なら、道具でなんとかする。出来なかったら、魔法に頼るしかない。」
「……なんか、サメラの考え方って、おばあちゃんみたいな考え方!」
「この考え方は、三番目の奇術師-Maniac Replica-のキューピットじいちゃんの考え方だ。」
ヴィクセンさんの考え方は今の考え方だからな。あんまり好きじゃない。
「でも、優しい人だった。」
「そっか。」
「リディアはどうだった?」
「?」
「幻界は。優しい幻獣がいたか?」
「いっぱい、いるよ。」
みんな、優しいよ。サメラみたいに。
「良かったな」
と一言返して、サメラは左腕を抑えた。
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