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帰ってきたなら安心だ

氷の刃が、ゴルベーザを貫いた。フェイントをかけたサメラは方向転換をして氷の破片を避ける。

「私が…敗れるとは…!」

がくり。と膝をついて、ゴルベーザは静かにクリスタルの床に崩れ落ちた。

「やったのか?」
「倒した…!ゴルベーザを倒したぞ!」
「リディア、貴方のおかげよ!」
「…その姿は一体何があったんだ?」
「リヴァイアサンに飲み込まれて、幻界に連れて行かれたの。」
「幻界?」

幻獣たちが住む世界よ。そこで玄獣たちが友達になってくれたの。白魔法は使えなくなったけど、そのぶん召喚と黒魔法の腕は上がったわ。ただ、時間の流れが違って。

「気にするな。帰ってきたなら安心だ」

いつもと変わらずに、リディアの頭を撫で…。

「……大きくなったな。」

…る事は出来なかったので、伸ばした手で自分の頬を掻いた。自分の身長の低さを恨みながら、小さく息を吐いた。

「セシル、彼女は?」
「ミストの村のリディアだ。」
「あの子供か!」
「これは驚いた。」

口々に言葉を放ち、歓声をあげる中、サメラは視線をゴルベーザに移した。

ピクリ…

「…?」

微かに動いた様な気がして、睨んだ。

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