開始三秒で、食い違いが生まれた。
「霧の龍。」
所々に入る翠の線を見てサメラはリディアを思い出した。…彼女も翠だな。とふと思ったのだ。
白龍が黒龍を倒し、すっと白龍が霧になって消えた。まるで召喚だ。
「ど、ドラゴン……黒龍を霧の力で消し去るとは…」
体から痺が消えた。普通に立っていられるし、何も苦しくない。
「大丈夫、もう動けるわ!」
聴き覚えのある声が、響いた。綺麗なソプラノボイス、癖のある翠。間違いない、彼女だ。
「その声は……」
「リディア、か?」
「話は後よ、サメラ」
幼い頃と変わらない笑顔で、彼女は笑った。綺麗な太陽みたいな笑顔だ。
「サメラ、行くわよ。」
「あぁ、任せろ!レイズ!、ハイポーション!」
「…サメラ、攻撃は?」
「回復じゃなかったのか?」
開始三秒で、食い違いが生まれた。
「あぁ、もう!セシル、他は任せた!リディア行くぞ!」
「うん!」
幼い頃と変わらない戦闘スタイルで、展開を繰り広げて、攻撃を仕掛ける。
「サメラ、行くよ!離れて!シヴァ!」
「了解した。」
切りかかると見せかけて、急に曲がって逸れると、氷の刃が空から振り落ちた。
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